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「一九八四年」~「感想」「あらすじ」「解説」「要約」:ジョージ・オーウェル

読書
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今回はジョージ・オーウェルが書いた一九八四年について私なりに簡単に、あらすじ、感想、解説をしていきたいと思います。

一九八四年は個人の自由や権利が厳しく制限された架空の全体主義国家をえがいており、政府はビッグブラザーという独裁者を置いて、国民を24時間監視、洗脳をして国家運営を行っています

主人公であるウィンストンはそのような社会に疑問を持ち国家に反抗していきます

あくまでフィクション作品ですが、読んでいると民主主義国家の日本に住んでいる私達でも、考えさせられる場面が多くあり、是非一度手にとって読んで欲しい作品です。

一九八四年はこんな人にオススメ

社会主義国家に興味がある人

国と大衆の関係に興味がある人

一九八四年のポイントテーマ・キーワード・魅力

芋粥
芋粥

自由

大衆の思想

あらすじ

個人の自由や権利が厳しく制限されたオセアニアで、過去の歴史を改ざんする真実省につとめているウィンストンは、歴史を改ざんするうちに、政府に対し疑問を抱きはじめる。

そして同じく政府に対し疑問を抱いているジュリアと出会い、恋に落ちる。

国の公認がおりていない異性との交流を持つことは政治犯罪に該当するため、2人は隠れながらあっていたが、ついに見つかりウィンストンは連行され、ウィンストンは厳しい拷問に屈服し最後は国の象徴であるビッグブラザーを愛してしまう。

全体主義と思想の誘導

一九八四年の最大の魅力は、党が権力を維持する為に作った様々なルールがあります。

まず党のスローガンとして

「戦争は平和なり、自由は隷従なり、無知は力なり」

とゆう相反するスローガンを掲げています

スローガンだけでなく党はこのスローガンのように相反するものを、2つ並べてどちらも正しいと国民に信じさせるように洗脳しています。

このような思考を二重思考という言葉で、常に国民に政府にとって都合のよいように意見もつようにさせています。

そして国民達が政府に疑問や反抗心を抱いてないか、街には勿論、住居の部屋にまでテレスクリーンというテレビ画面が設置され国民は常に監視下のもとに置かれています

そして男女の関係は厳格なルールがしかれており、国の許可おりてない場合罰の対象になっていますし、その結果により夫婦、家族の信頼関係が崩壊し家族間でお互いを監視しあい、自分の親が政府に対し疑問をもっていると子供達が親を告発するようになっています

そしてこのように制限下で生活している国民の強いストレスを政府は戦争相手国や国家反逆者にむけるよう国民を誘導しています

このような極端のルールを国民達は巧みな誘導によって少しも間違っている所がないと思いながら生活をしています。

当然ですが私達もSNSや動画の情報を見ると多少その方向に自分の考えを誘導されてしまいます。

インターネットの普及によりだれでも世界に対し自分の意見を発する事ができ、誰でもその意見を聞くことが出来ます。

そしてアルゴリズムは各ユーザーにとって最適化されるので、自分にとって気持ちの良い、都合のよい情報だけ集まってきます。

一九八四年では極端な思想の誘導が書かれていますが、私達も常に誰かの誘導をうけていると考えるべきではないでしょうか

自由と大衆にとっての幸福

政府は何故このようなルールを敷いているのでしょうか

政府の人間であるオブライエンが党の最大の目的は権力の維持であると主張しています

そしてオブライエンの説く国民の幸福とは

個人の自由や思考を制限し党の考えを

盲目的に信じて生きていくことだと主張しています

教育、思考、知性、制限させる事で国民の考えさせられる力を削ぎ革命などの反抗心や政府への疑問を抱かせないようにしています。

貧困層のプロールと呼ばれている人達は読み書きもマトモに出来ない人達ですが、その結果彼等は今の政府が問題ないのか、問題があるのかの判断する知性が無いため、政府も彼等の住居にはテレスクリーンは置いていません。

現状に対し不満や恐怖心を持たない彼等は政府の監視下に置かれることもないので、幸福な存在なのかもしれません

政府にとって無知な民衆ほど簡単に誘導出来るので都合のよい存在なのでしょう。

現在日本では政府が国民の税金を無駄使いし紙面を騒がせていますが、オブライエンの考えではそもそも、国民がその事に反発する思考を持たないことこそが幸せであると説いています

最後に

今回はジョージ・オーウェルが書いた一九八四年について私なりに簡単に、あらすじ、感想、解説をしてみました

決して明るく楽しい作品ではありませんが、私達の社会に対する意見や主張は、自分で考えた結果生み出されたものであると、思っているだけで実は社会の誰かによって操られている、とゾッとする感想を持ちます。

SNSやメディアがここまで普及したからこそ読んでみて欲しい作品ですし、資本主義社会の限界がきているという議論もされている状況でこの作品はこれから生きていく現代人にとって1つのヒントをもたらしてくれるのではないのでしょうか。

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