「サピエンス全史」ユヴァル・ノア・ハラリ:[感想]

読書

はじめに

今回はユヴァル・ノア・ハラリが書いた「サピエンス全史」について書きたいと思います。

地球が誕生してから45億年、この地球という舞台で多くの種が自分の種を守り、繁栄させるために戦ってきました。

中には強靭な肉体を作った者、自由に飛べる翼を身に着けた者。多くのライバルがいるなかで我々が何故この地球の覇者となりここまで繁栄することができたのでしょうか

この本はそのような疑問を解決してくれるともに、過去の歴史を振り返り人類はどのように発展してきたのかを紐解いてくれます。

私🍏はこの本を読み今までの人類史を一歩引いて眺めることで社会の常識や当たり前の秩序を異なった目線で見ることが出来るようになったと思います。

①人類は何故地球の覇者になりえたのか

太古の地球では強靭な肉体を持った動物が数多く存在し、ホモサピエンスは彼らと比べ体格も小さく日々彼等から隠れる生活を余儀なくされていたでしょう。そんなひ弱なホモサピエンスが覇者になりえた要因をこの本では「想像上の秩序」を持つことが出来た事だと述べています。

人類はマンモスを狩るときに単独で狩るのではなく何人かと結束してチームで狩りを行ったとされています。集団行動は私達からすると当たり前ですがその他の種からすると当たり前じゃないことが分かります。例えば同じヒト属のネアンデルタール人は我々ホモサピエンスより身体能力は高くもし彼らが現代まで生き残りオリンピックに出場されたら我々ホモサピエンスはメダルを取ることはできないと言われています。

しかし、彼らは我々と同じような集団行動をとる事はしませんでした。そしてこの集団行動において必要不可欠なのが「想像の秩序」なのです。

「想像の秩序」とは今の我々でいうと「民主主義」「資本主義」が該当し、太古でいえば自然崇拝やアニミズムが該当するでしょう

勿論、脳の発達により言語を習得しコミュニケーションを取る事ができたのも大きな要因の一つですがそれは別に私達以外でも鳴き声等でコミュニケーションを図る動物は数多く存在します。

仲間に天敵が近くにいると叫ぶことの出来る種は数多く存在していたかもしれませんが、「この動物はわが種族を、守ってくださる守護霊」だと言い合える種は私達だけの能力だったのです。

一番分かりやすい例えは宗教でしょう。宗教はホモサピエンスにとって非常に強力な想像の秩序で同じ神を信じているだけで人類は大きなグループを形成し大きな運動をこれまで起こしてきました。

我々はこれまでに様々な秩序を作り出しその秩序によりグループを形成し統制を保ってきたのです。

もしこの共通の秩序がなければ内部分裂が起こり集団行動がとれず人類はここまで発展しては無かったのではないでしょうか。

そしてホモサピエンスの強さはこの想像の秩序を何度も変えても強い結束力をもってきたことです。

「人は平等である」「差別はよくありません」このルールは今では当たり前です。

しかし少し時代を振り返ってみるとこれも当時のホモサピエンスが作り出した単なる想像の産物でしか無いことが分かります。中世では当たり前に貴族と平民と階級が分かれ犯罪を犯した場合でもその人が貴族であるか平民であるかにより処罰の重みが違いました。

フランス革命・アメリカ独立宣言により今までの秩序が壊れ、人は生まれながらにして平等であるという新たな秩序が生まれたのです。

良い学校に通い、大きな会社に所属し、より大きく経済を回さなければならない。という今の資本主義もひと昔のあるホモサピエンスが作った想像の産物でしかないと理解することができれば生きるのが少し楽になる気がしませんか。

②人類は何故地球の覇者になりえたのか

「想像上の秩序」を形成することで人々を集団化することに成功した人類はここまで発展することに成功しました。そしてもう1つの大きなポイントは「妄想力」だと思います。

狩猟採集からスタートした人類はより安定的に生きる術を見出すために農耕社会を形成します。

その社会では「どんな種をどのように育てればより効率よく食物を得ることが出来るのか」

という妄想を日々していた思います。その妄想から種の選別、道具の発明が行われてきました。

また人類の妄想力が見れる一例として世界地図が挙げられます。

1400年代の世界地図をみると多くの国が自国を中心に描き余白はなくびっしりと地図を描いているのにたいして1500年代の地図を見てみると分からない所は余白として地図を描いています。

余白のある地図を眺めているとそこの余白には何があるのか知りたいという妄想が働き多額のお金と人をかけて命を省みず大陸を求め冒険に出るホモサピエンスが出現してきます。

ガリレオ、コペルニクス、コロンブス、エジソンなど今の私達が使っている当たり前の技術もこのような妄想力の高い偉人達の偉業のもとにたっているように思います。

ホモサピエンスはアフリカからその他の大陸まで移動をし続け繁栄してきましたが、当時の技術でどのように移動することが出来たのでしょうか。そこには大陸変動など色々な理由があるのかもしれませんが、妄想力の卓越したホモサピエンスがその欲求を満たすための行動し、その一部の妄想力の高いホモサピエンスのお陰でこんにちの歴史と発展があるように思います。

発展と幸福度

「想像の秩序」「妄想力」のお陰で人類は高度な結束力と高度な科学技術を手に入れ地球上での覇者となりました。

しかし私達は今幸せといえるのでしょうか。世界で年間約80万人が自殺している現代のデータをみると成長イコール幸福とはいえないのかもしれません。

この本では狩猟採集から農耕社会へ移行した人類が必ずしも楽になっていないという事を説明しています。確かに狩猟採集から農耕社会を形成することで安定的に食料を供給することに成功し人口を増やせたのは間違いありませんが、人口の増加により仕事は増えるばかりで楽にならない生活を強いられてたようです。

産業革命が起こり生産性が指数関数的に増加し莫大な富を作り上げる資産家がいる一方で奴隷として搾取される人達。インターネットをはじめとするIT技術が普及し便利になっているのにも関わらず過労死をしている現代。また時間を節約してくれる様々な機器を発明し、余裕でゆとりのある生活を追い求める一方で私達はその浮いた時間で仕事をしている。

確かに高度な技術を獲得し便利になっているのは確実ですがそれが人類の幸福とはつながってないのかもしれません。

この本を読むとホモサピエンスを一歩引いて

石槍をもってマンモスを仲間共にがむしゃらに追いかけていた先祖とスマホとにらめっこしている現代人を見比べた時に自分はどう生きるべきなの考えさせてくれます。

ホモサピエンスとして生きる

この地球を隅々まで侵略してきたホモサピエンスの妄想力や進化欲は止められず

時間の問題で宇宙に進出するでしょう。その欲求は決して満たされることないの欲求なんだと思います。幸福感も同じでホモサピエンスは「自分が幸せになりたい」という決して満たされることない欲求を常に追い求め続けます。

過去の歴史をみても新たな技術、新たな新天地をみつけても幸せになれるとは限りません。

まるでハムスターが一生懸命歯車を回しているかのようにホモサピエンスは走り続けています。

そもそもホモサピエンスという意味は「賢い人」という意味だそうですがちょっと皮肉が効きすぎているように思います。

私🍏も脳に幸福感を感じさせるセラトニンが分泌されるのは自分が出来なかった事ができるようになる時や自分が知らなかった知識を得た時で、それこそが自分が妄想力や知的好奇心の高いホモサピエンスの一人であることを証明しています。

コロンブスが新たな大陸を見つけた時、エジソンが新しい発明をした時、古代人が新たにおいしい食物を見つけた時その時の快楽は言葉では表現できない物があったのに違いありません。

必ずしも自分の幸福には繋がらないかもしれませんが、ホモサピエンスという種は自分の好奇心を満たすためには歯止めが利かない動物なのかもしれません。

そもそも幸福というのもただ脳内にセラトニンやドーパミンが出ている現象でしかないのであるなら、本当に賢い人(ホモサピエンス)はたとえ嫌なことがあっても自分の感情をコントロールしてセラトニンをだすように脳内をリセットするのが本当に賢い人だと思います。

今回このサピエンス全史を読みホモサピエンスという動物を一歩引いてみることができました。

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