「論語」~今読んでも全く古くない名著~:孔子

読書

はじめに

今回は約2500年前の思想家孔子とその弟子達の記録である論語について書きたいと思う。

論語のような現代まで読み継がれているような古典を読むとその作品のパワーを感じる。

「人間はどう生きるべきか」という最高難易度の問題に対してはるか昔に生きていた人間が出した解は生活様式が大きく変化した今の私達が読んでも

非常に参考にすべき所が多いと分かるのと同時に、その解を私🍏も含め多くの人が理解し実践していないことが分かる。

論語と聞くと漢文の授業で出てきた真面目でクソツマラナイおじさんが偉そうに語っているイメージを持つかもしれない。

しかし論語をきちんと読むとそのイメージは崩れる。孔子自身も悩み、途方にくれてしまっている場面も出てくる。

勿論弟子も同様である。

非常に複雑な現代だからこそもう一度論語を読み直し「真の人間らしさとは何か」という事を考えるのもわるくないかもしれない。

今回はその論語の魅力を書いていきたい。

論語の魅力①-魅力的な弟子達

論語では多くの弟子が登場し様々な質問を孔子に投げる。中には同じ質問を孔子にしている場面が出てくる。

その時の孔子の返答が質問してきた弟子によって回答が異なる所が興味深い。例えば「教えを受けたらすぐに実行すべきでしょうか」という質問にたいし

性格が性急な子路には「一度父母に相談しなさい」と言い性格が控えめな冉求には「すぐにしなさい」という回答を行っている。

孔子は名高い思想家でありながら弟子の性格を分析しどのように伸ばすべきかを理解している優秀な指導者という一面を見ることが出来る。

このように登場する弟子毎に着目して論語を読むと弟子達の特徴が浮かび上がってきて非常に論語がみずみずしい書物に感じられる。

孔子は指導者としてこのような性格が異なる弟子達を抱えながら最大限に彼等を伸ばそうとしていたのだと分かる。

現代に生きる私達でもこの姿勢は見習うべきだと思う。親子・先輩後輩・上司部下。指導する側、受ける側。形態の違いはあれど多くの人が

日々指導を受け、または逆に指導をしていると思う。日々の生活の中で指導をする側に立つことが有るのならば論語を読み孔子から指導者として自分が持つ美学や哲学を教えながら

その人が持つ特性や美点を最大限にまで引き出す指導力を学べるかもしれない。

論語の魅力②-人生の攻略本

論語にはありがたいお言葉がいくつも書かれている。このような本を読むと上司から延々と説教を聞かされているみたいでツマラナイと感じる人もいるかもしれない。

しかし論語をツマラナイと感じ何も感心することが無く読み終える事が出来た人はとても良い人生を送っているとガッツポーズをあげてほしいと思う。

人生は本当に色々なことが有る。悩みが一つもない人生なんてない。どんな人だって悩むし、どう進んで良いのか分からなくなる。そんな気持ちを人生のうちに一回でも思ったことが有る人は

論語を読み心に刺さる文章が一つは必ずあるように思う。この本では人はどうあるべきか、政治家とはどうあるべきかという問いから青年期の過ごし方から交友関係に関する解決法まで色々なヒントが書かれている。

今自分が抱えている悩みや、自分がこれまで生きてきて築きあげてきた哲学と比較しながら論語を読むと自分の哲学について修正と改善が加えられるかもしれない。

論語の魅力③-徳治主義

孔子哲学の大きなテーマとして徳治主義があげられる。徳を持って国の運営を行えば何も考えなくとも人民は悪事を働かず必ず国は繁栄するという考え方。

分かりやすい例を出すと

「治者が徳に基づいて政治を行えば、人民は安んじて農耕にいそしむ。治者が刑罰にたよって政治を行えば、人民は僥倖ばかり期待するようになる。」(里仁11)

季康子が政治について孔子と議論していた。かれは言った

「わたしは、犯罪人を死刑にしてでも人民を導くことができれば、そうするほうがよいと思う。」

孔子は、応じた。

「死刑?死刑なしでは政治ができぬとおっしゃるのですか。あなたがあくまでも徳治主義に徹すれば、人民が善に同化しないはずがない。為政者と人民の関係は、風と草のようなものです。風が吹けば草はかならずなびくものです。(顔淵19)

現代は法治主義を採用しているのでこの徳治主義の考え方はお花畑の理想論でしかないように思うかもしれない。ただ人間関係にこの考え方を合わせてみるとぴったりとあてはまる

自分にとってどんなにイジワルで嫌な人でも自分がその人に誠実に徳を持って丁寧に接することでその人との人間関係は必ず円満に向かっていくはずである。

逆にその人が嫌な人だから不誠実に対応すれば関係はより悪化するのは誰でもわかる。

どんな人でもこのような経験はあるはずである。自分が苦手だと思っている人は、その人自身も十中八九自分の事を苦手だと思っているに違いない。

さいごに

論語を読んで私達が学ぶべきこととは

「人生を誠実に丁寧に生きる」ということである。自分の行いが後ろ指刺されない誠実なものであれば、自分が特別変わったことをするまでもないということである。

それを2500年前から言われているのに出来ない、実践できないのが人間の弱さであり、法治主義を採用せざるを得ない原因だと思う。

孔子の哲学は理想論かもしれない。世界中の人間全てが誠実で誰にも平等に接する事が出来るとは到底思えない。

ただ論語を読んで自分が苦手な人や事に自分なりに誠実に丁寧に向かい合ってみると世界は変わるように思う。

人生に悩んだとき、立ち止まってしまったとき、攻略本の論語を読み直し「人間としてどうあるべきか」というのを再考してみるのも悪くない。

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