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~ひろゆきが酷評した一冊~「車輪の下」~「感想」「あらすじ」「解説」:ヘルマン・ヘッセ

読書
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今回はヘッセが書いた車輪の下、について私なりですが簡単に、あらすじ、感想、解説をしていきたいと思います。

ひろゆき氏に何一つ面白くなかった本、と酷評されてしまった作品です。あくまでネタとしての発言かもしれませんが、ドイツ文豪ヘッセの代表作であり、周囲の大人によって曲げられたしまった少年ハンスを描いた自伝的小説です。

まだ読んだ事がない人は是非手にとって読んでみてください

車輪の下のポイントテーマ・キーワード・魅力

芋粥
芋粥

・少年心

・大人の期待

・社会の規則

車輪の下はこんな人にオススメ

受験生、就活生

受験生、就活生を持つ親

挫折経験がある人

あらすじ

神童として周りの大人から期待されて育ったハンスは、神学校に入る。

神学校では詩人を志すハイルナーと親友となるが、ハイルナーは天才で早熟であるがゆえに規則詰めの学校生活と、勉強漬けの毎日に嫌気がさし、学校に反抗するようになりついには逃亡する。

親友のハイルナーがいなくなったハンスは神経衰弱が悪化し、退学し地元に戻る。

地元に戻ると同級生のアウグストが働いてる工房に見習い工として働き始める。

ある週末にアウグストと一緒に酒場に行きーった帰り道酔っ払ったハンスは足を滑らせ川で溺死してしまう。

少年時代

車輪の下は、優秀な少年ハンスが周りの大人に期待され、厳しい神学校に入れられたあげく、心がすり減り体調を崩して悲しい最期を迎えてしまう作品です。

特に受験前のハンスの心情は受験生を経験した方なら誰でも読むだけで苦しくなる描写がされています。

感受性が高く傷つきやすい少年の心にとって、大人の期待する目、規則詰めの生活、勉強漬けの毎日、というのがどれだけ少年の心を蝕んでいるのか、周りの大人はそんなハンスに救いの手をさしだす事もなく、退学するまでハンスの精神をおいこんでいきます。

暗い場面が多い車輪の下ですが、受験が終わった後の開放されたハンスが川へ泳ぎに行ったり、魚釣りをしている様子は、ハンスが少年心を取り戻している数少ない場面であり、少年にとっていかに遊ぶ事が大事であることが分かります。

勉強する事が悪だとは思いませんが、

少年時代には少年にしか出来ない事をさせて上げることが重要だと車輪の下を読むと改めて気付かされます。

ハンスは受験が終わった休暇中も周りの大人に言われ勉強や宿題をしていました。

休暇中に釣りや散歩をすると気おくれを感じるほど、ハンスの心は期待に圧迫されていました。

ひろゆき氏にうけなかったわけ

ヘッセが好きな作家であるのもあり、私🍏としてはこの車輪の下を、非常に面白い小説だと思いました。

悲しい物語ではありますが、ヘッセが描く村の描写を読み美しい、と思いましたし

厳しい社会規則にたいして1つ問題提起を起こしている作品でもあるので興味深い作品だと思います。

特に学歴社会がより激化している現代だからこそハンスと同じ気持ちを持つ少年少女は多いと思いますし共感する人も多いのではないでしょうか。

あくまでネタとしての発言だと理解したうえで、この本を面白くない、と感じる人はどういう人なのかと考えた時に「挫折をした事がない人」なのではないか、と思いました。

自分が予想した事よりマイナスな結果になった時に人は挫折すると思います。

ハンスは村で周りから神童として扱われます、そしてハンス自身も、自分は同級生よりも高い存在だと思い勉強に励みます。その高い自尊心の持ち主が、学校生活について行けず退学し、村に戻った時に、昔自分が下にみていた工房の1番下っ端として働く事はハンスにとって非常に強い劣等感を感じ、大きな挫折を味わうと思います。

一度でも挫折を味わった事がある人はこのハンスの境遇に強く共感するのではないのでしょうか。

ヘッセの自伝小説

車輪の下はヘッセの自伝小説ですので、ヘッセもハンス同様に勉強漬けの少年時代を過ごし精神を病み、学校を退学しています。

学校を退学後、仕事もすぐやめてしまう彼でしたが、そんな彼を救ったのは母でした。

母は彼の回復を助けながらも彼女が骨軟化症にかかってしまいます。

ヘッセはそんな母をみて町工場で働くようになります。

その後ヘッセは仕事を続けながら詩人としての才能を開花していきます。

車輪の下では挫折したハンスはそのまま溺死をしてしまい、挫折を克服する場面は描かれていませんが、ヘッセ自身は挫折を経験した後に奮起し克服し自身の夢であった詩人になるという夢を叶えています。

車輪の下だけを読むと、未来ある子供に無理やり勉強させて子供の人格が壊れ、挫折し、若い命が失われてしまう物語、

だと思ってしまいますが、その作者が実際に同じような経験をした後に、挫折を克服し夢を叶えたという事実まで知ると、暗いだけの物語ではなく、人間は挫折を経て新しい人間になるとメッセージある、というのは少し深読みしすぎでしょうか

最期に

今回はヘッセが書いた車輪の下、について私なりにですが簡単に、あらすじ、感想、解説をしてみました。

ひろゆき氏に配信で何一つ面白くない、と酷評された本ですが、挫折を経験した人や社会の重圧に疲れた人は読めば共感する場面が多い作品だと思います。

自伝小説ですので、車輪の下を読んだうえで、作者であるヘッセがどのように人生の絶望を乗り越えていったのかもあわせて調べて頂くとこの本がより深い作品になるかと思います

是非手にとって読んでみて下さい

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