はじめに
今回は又吉直樹が書いた火花について私なりに簡単に、あらすじ、感想、解説をしていきたいと思います。
火花は芥川賞を受賞しその後、ドラマ化、映画化もされ、社会現象になった非常に知名度の高い又吉直樹の作品です。
火花の物語は売れない芸人徳永を主人公とし、先輩芸人の神谷に弟子入りする所から始まります
徳永は神谷から芸人だけでなく人間としてどう生きていくべきなのかを学び、芸人として売れたい気持ちと自分のお笑いを貫く葛藤など、お笑い芸人の又吉直樹だからこそえがける物語になっています。
考えさせられる内容ですが、お笑い芸人だからこそ作品でのエピソードが笑えるものが多く、非常に読みやすい作品なので普段読書をしない方や、文学作品はあまり読まない方にもオススメな作品だと思います。
火花はこんな人にオススメ
文学小説を読み始めたい人
短い文学小説を探している人
読みやすい文学小説を探している人
夢を追いかけている人
単調な生活に飽きている人
火花のポイントテーマ・キーワード・魅力

芸人
夢
自分の信念を貫くとは
あらすじ
売れない芸人徳永は、先輩芸人神谷の個性的な漫才を見て、神谷に弟子入りをする。徳永は神谷をお笑い芸人としてだけでなく、人間としても尊敬し悩み事があれば神谷に相談するようになるが、コンビ解散や、お笑いブームの終焉などもあり徳永は芸人を辞め徳永とは別の道を歩むようになる。芸人としてだけではなく、人間としてどう生きていくべきなのをえがいた作品
火花というタイトル
火花の冒頭は熱海花火大会に営業にきた徳永の漫才からから始まります。
徳永渾身の漫才はバックで打ち上がる鮮やかな花火の爆音にかき消しされ、花火大会に来た客が素通りする中で漫才を披露します
どの小説でも冒頭というのは、物語上とても重要な場面になりますが
先程も書いた通り、熱海の夜空には大きな花火があがりその後火花となり熱海の海に落ちていきます。そしてタイトルは”花火”ではなく”火花”、というのが作品全体の儚さが上手く表現されておりとても良いと思いました。
芸人の世界は観客席側からみたらとても鮮やかな世界ですが、上空を鮮やかに彩っている大きな花火の下には無数の散っていく火花があり、売れているごく僅かの芸人と、売れない無数の芸人達が表現されていると思います。
自分の信念を貫く事
火花では芸人徳永と神谷のやり取りを中心にして物語が進んでいきます。
神谷は徳永に個性や自分のお笑い、という言葉を使って芸人とはどうあるべきなのか、芸人という特殊な舞台だからこそ周りの芸人とは違う物が重要であり、逆に売れる為に何かを模倣し、自分を着飾るのは良くないと説いています。
学校生活や会社でサラリーマンをしていると、協調性が求められる事がまず大前提としてあり、周りの空気や方針を全く気にしない神谷の尖りすぎている個性や性格は読んでいてカッコいいと思う方もいるのではないでしょうか
ハッピーエンド?
物語終盤で
「生きている限り、バッドエンドはない。僕達はまだ途中だ」という文書がありますが
最終的に芸人を10年間続けた徳永は芸人を辞め不動産に就職をして、借金が膨らんだ神谷は借金取りに追われ自己破産をしています。
私達は生きている限りバットエンドはなく、これからの生き方次第でハッピーエンドになり得るのだと希望をもたせる為このような文書を書いたのだと思いますが、
日本社会では一度レールから外れると元に戻るのは簡単ではないので、この文章を読んだ時、現実社会はそんなに甘くないように思いました。
実際に神谷の事をずっと慕ってくれていた女性がいましたが、その女性はきちんと働いている男性と同棲する事になります
自分のスタイルを貫き成功する人間は正に花火のように輝きカッコいいですが、その一方で神谷のように散っていく火花がいると考えると、自分の信念や夢を追いかけ続ける事は並外れた覚悟がいると改めて思いました。
最後に
今回は又吉直樹が書いた火花、について私なりにですが、簡単に、あらすじ、感想、解説をさせて頂きました
恥ずかしながら社会現象になった火花を今更手にとって読んでみると良い意味で裏切られました。
夢を追いかけた結果火花になった神谷をみると、今の単調な生活を客観視する事が出来、些細な日常を愛するべきなのでは、と思う事が出来ました。
自分の好きな事、やりたい事を生業とし成功している人は多くの火花の上に成り立っていると改めて思いましたし、多くの火花があるからこそ、大きな花火が鮮やかになるとも思いました。
10代、20代前半の方が読めば、神谷の生き様を徳永のようにカッコいいと思うかもしれませんが、30代、40代となった時に読めば、また違った感想を抱くかと思います。
一度読まれた方も数年後読み返した後また違った感想を抱かれると思いますので、既に読まれた事がある人も、そうでない人も是非手にとって読んでみて下さい



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