はじめに
今回は稲盛和夫の「生き方」について私🍏なりに、あらすじ、感想、そして解説をしていきたいと思います。
稲盛和夫は京セラ・KDDIの創業者であり、日本を代表する経営者の1人です。
また彼は自身の経営だけでなく「稲盛財団」の設立、ボランティアで経営者を集めた経営塾の「盛和塾」の活動を行い、人類発展の為の活動も精力的に行っている人物です。
今回はそんな彼の書いた「生き方」を読み彼の生き方の哲学について書きたいと思います。
ビジネスマンは勿論、これから社会にでる学生もこの本を読みこれが100万部以上売れた事を考慮した上で社会に出る事をお勧めします。
稲盛和夫の哲学
タイトル通りこの本は稲森和夫の「生き方」について書いてあります。
その生き方・哲学は古き良き日本人の生き方を感じることが出来ます。
稲盛氏は人生に迷ったときは自身の哲学・生き方の原理原則に立ち返って行動することが大切だと書いています。
そんな彼の原理原則は「人間として正しい行動をする」ことです。
「人は自身の魂を磨くために生まれてきており、生まれてきた時よりマシな自分になるために日々精進すべきだ」
「利他の心を持ち、自分の欲に捕らわれず、他人を思いやり生きることが結果的に自分にとって幸福な人生となる。」
「嘘をついてはいけない、人に迷惑をかけてはいけない、正直であれ、欲張ってはならない」
誰もが小学校で習う道徳ですが、大人になってもこの道徳を愚直に貫くことが出来たのが彼の成功につながっていると思います。
ここからは彼の生き方の一部を抜粋したいと思います。
生き方① 人生・仕事の成功=考え方×熱意×能力
人生・仕事の成功=考え方×熱意×能力
この方程式のポイントは足し算ではなく、掛け算であることです。
「能力」というのは先天的な要素で、一方で「熱意」とは情熱や努力する意思にあたり後天的と言えます。
たとえ能力が無くても努力や熱意が有れば事をなせるという事を彼は訴えています。
そして最初の「考え方」、これはこれまで生きてきて、人生を歩む過程で自分が築いてきた哲学、理念、思想を示しています。
例えば頭もバツグンにキレて、熱意も凄いのだけれど、自身の欲だけを満たすような考え方であれば、マイナスの掛け算となり成功とは言えません。
生き方② 細心の計画と準備無くして成功はありえない
細心の計画と準備無くして成功はありえない
組織の中で何か新しいことを提案すると、反対意見や、出来ない理由を述べられる事は避けることが出来ません。
稲盛氏は自分の中に「できる」というイメージが出来ていれば大胆にそして楽観的に構想を広げていくべきだと述べています。
以前稲盛氏は難関大学を出た優秀な人ほど新しい提案に対し冷静に分析してしまい、出来ない理由を並べ反応も冷ややかなことから、実現できるものも出来なくなってしまうと考え
そうではなく、少しおっちょこちょいな人で提案を「それはおもしろい、ぜひやりましょう」と無邪気に喜び、賛同してくれるタイプに話ようにしたと述べています。
そしてその計画を具体的に計画に移すときには悲観的に慎重にかつ細心の注意を払って厳密にプランを練ることが必要だと。
つまり「楽観的構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」これが物事を成就させる秘訣だと述べています。
生き方③(労働観)
四六時中その事だけ考え、もうこれ以上のものは無いと思うまでやり切る
稲盛氏は自分の仕事に対し「手の切れるような」というものが出来るまで努力を惜しむなと述べています。
「手の切れるような」という形容は「もう、これ以上のものはない」という意味で自分が本気で納得出来るまで努力するという強い気持ちを持つことが大切だと述べています。
壁にぶつかった時は、真正面から困難に立ち向かい、自分を限界に追い込む、そういう心意気が壁を乗り越える「神が手を差し伸べたくなるくらいにまでがんばれ」と稲盛氏は社員に檄を飛ばしたそうです。苦を承知で引き受けられる覚悟と勇気が必要だと述べています。
現代の「生き方」(労働観)
今回私🍏なりに「生き方」について、あらすじ、感想、そして解説をしてみました。
おそらく今の10代-20代前半はこの生き方③を理解することはできないでしょう。
「労働こそが人生において尊いもので長時間働き、自分を限界まで追い込み、額に汗をかくことこそが美徳である」
「利他の心を持ち、自分の欲に捕らわれず、他人を思いやり生きることが結果的に自分にとって幸福な人生となる。」
という考えは令和の時代だとなかなか受け入れられない考えだと思います。
働き方改革・コロナ、社会の変化はめまぐるしいものがあり、労働への価値観も大きく変わってきました。長時間労働・残業は悪。いかに効率よく働くことが出来るのか。
現在の労働への価値観は効率化・省人化がキーワードとなっています。
マッカーサーは、日本人は遊んでいる時より働いている時のほうが幸福だと感じる国民性をもっていると述べていましたが、いまは真逆となっているかもしれません。
稲盛氏の哲学である、「自分の利を忘れ仲間や組織、たとえ競争相手でも他人を思いやる」という気高い思想を持つ人は少なくなり、効率化・合理化だけを追い求めている今の労働は他人を遠くにおいやり、情が薄れ自分の利を絶対的な目的としているように思います。
別にそれが悪いとは思いません。時代の流れだと思います。ただ昔より生きにくいなと思います。時代が変化したならば、生きやすいような新しい価値観を創りだす必要があるように思います。そしてたとえ時代が変わっても稲盛氏の大切にしている
「人間として正しい行動をする」という思想はいつの時代も大切にされるべきだと思います。
この本を読んで稲盛哲学をカッコいいと思いましたし、20代前半まではこの思想を自分も強く信じていました。ただ、実際に社会に出ると周りはそう思ってない人が多数おりそのギャップで悩む事もありました。この稲盛氏の労働観は平成の成功哲学のように思います。
令和の成功者はまた違った方法、「生き方」を先人から学び創意工夫して新しい価値観、文化を作りだすことが必要なのではないでしょうか。
この混沌とした時代がどう変化するかは分かりませんが、「人間として正しい行動をする」という原理原則は変化してほしくないものです。
最後に現代の労働観のズレを書きましたが、その他は今の時代に読んでも大変勉強になる事ばかりなので一度手にとって読んでみてください。
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