君たちはどう生きるか:吉野源三郎著 [感想]

君たちはどう生きるか読書

君たちはどう生きるかのテーマ

今回は1982年に吉野源三郎が書いた「君たちはどう生きるか」について書きたいと思います。

突然ですが、「どのように生きたいですか」という質問を投げられたらあなたは答えることができますか。

答えを持ってないにしても一度くらいは「自分はなんで生まれたのか」「自分はどう生きるべきなのか」という問いに対して考えたことがあるかもしれません。

お金持ちな人、貧乏な人、頭が良い人、悪い人、足が速い人、遅い人。世の中には多くの人が存在しますが、どんな人でも「なんで自分が生まれてきたのだろうか、そしてどのように生きるべきなのか」というクイズはこの世に生命を与えられた私たちが平等に与えられた最初に出会う、そして最高難易度のクイズだと思います。

今回ご紹介する「君たちはどう生きるか」はタイトル通りこのクイズに対してヒントを与えてくれます。

君たちはどう生きるかのテーマ
芋粥
芋粥

人間はどう生きるべきなのか

君たちはどう生きるかはこんな人にオススメ

「人間はどう生きるべきなのか」このようなテーマから「君たちはどう生きるか」はこのような人達に勧めたいと思います。

「自分はどう生きるべきなのか悩んでいる人」

人生は山あり谷ありです。常に一定の人生を歩めるわけがありません。しかしそんな人生のなかで「自分はこう生きる」という明確な指標があれば困難、苦難が立ちはだかっても指標に立ち返り判断を間違わず自分らしい人生が歩めるのではないのでしょうか

あらすじ

本田潤一君(コペル君)は成績優秀な中学二年生。子供と大人の間に立つ彼は日々の生活の中で人間関係・社会構造・人類の発展、様々な事柄に対して不思議・疑問に思う事が徐々に増えていく。そんな彼の疑問をコペル君の叔父さんが答え悩みを解消し、コペル君は大人の考え方、哲学的思想を身に着けていき、徐々に自分が社会を形成する一人だと自覚していく。そして「自分はどう生きるべきなのか」という問いについて悩み、15歳なりに考え答えを出そうとする。

立派な人とは

物語を通して叔父さんはコペル君に「立派な人になってほしい」ためにコペル君に多くの助言をしていきます。私達も学校生活の中で先生や親から「ちゃんとした大人になりなさい」「立派な人になりなさい」「ダメな大人になったらだめ」散々言われてきましたが抽象的で「どうしたら立派な人なのか」という疑問は常にあったと思います。ここからは叔父さんの助言からどういう人が立派な人なのか考えていきたいと思います。

① 地説的なもの考え方が出来る人。

コペル君はデパートの屋上から街を見下ろしたときに、自分以外の多くの人がこの街で暮らしていることに驚きます。そして自分がその中の一人でしかないという事に気づかされます。このコペル君の気づきに叔父さんは地動説をだしてコペル君に助言を行います。地動説とは太陽を中心とし、そのまわりを地球がまわっているとコペルニクスが唱えた説です。それまでは地球を中心とし、そのまわりをその他の惑星がまわっているという天動説が唱えられていました。ここで叔父さんがコペル君に伝えたかったのは「地動説的なものの考え方」です。

生活の中で問題が生じた時に、何が問題でどのような原因があるのか、その解決がなかなか前に進まないのは、自身も含め天動説的な考え方をしているからです。我々はどうしても損得勘定がからむと、余計にこの考え方をしがちです。「自分の仕事が増えるから」「自分の手間が増えるから」しかし、一歩引いて自分中心ではなく地動説的な考え方をしてみるとスムーズに問題解決に繋がります。このように地動説的な考え方が出来る人は立派な人だといえるのではないのでしょうか

② 自分が感じた事を、心が動かされた事に対してその意味を考えられる人。

コペル君は学校生活の中で感じた事を叔父さんに話します。そして叔父さんはコペル君に「なぜそう感じたのか」という事を深く考える事の重要性を説きます。

本を読んで感動した、仕事中イライラした。生活していると誰しも様々な感情を抱きます。

ではもう一歩進んで「なぜ今自分は感動・イライラしているのか」このように考えたことがありますか。どんなに優れた文学・思想・芸術に触れて感動したとしても「自分はいま、○○の△△に感動している」と追及することは本当に大事だと思います。その追及こそが「自分とはなんぞや」というものを明らかにするものであり、自身の哲学・人格を形成するものだと私🍏は思います。

人から教えられた、本を読んで知った、その知識は正しいものかもしれませんがそれは他人の思想であり自身の思想ではありません。何か判断・決断をするときに自分の魂から湧き出た感情こそが自信の思想であり、それをもって初めて立派な一人前の大人だと叔父さんはコペル君に説明します

③ 人類に貢献できる人

コペル君はナポレオンの人生に触れその激動の人生に感動します。

叔父さんはコペル君のその様子を見て「本当に尊敬が出来るのは、人類の進歩に役立った人だけだ。そして、彼らの非凡な事業のうちに、真に値打ちのあるものは、ただこの流れに沿って行われた事業だけだ。」と言います。「ナポレオン法典」「エジプト遠征」ナポレオンの行った偉業はその後の人類発展に大きく影響したものが多くあり、それこそが尊敬できる人だとコペル君に説明するのです。

人類発展というと、何かとてつもない大きなものを想像してしまいすが、そもそも「社会に出て働く」という行為そのものが何かを生産し、それを誰かが消費する。この行為にすこしでも関わっていれば人類発展に貢献している事だと私🍏は思います。

また、学生であれば何も生産していないと考える事も出来ますが、自身の成長・成功は親にとっては何事にも代えがたい希望であり、彼らの生きる活力となり貢献していると思います。また、友愛の精神を持ち損得勘定を持たず、友人・親に何かしてあげる、人間同士、お互いに思いあい協力関係が築けるような関係を築けるよう活動していくことは、お金は生んでないかもしれませんが、これも人類発展に貢献しているといえるのではないでしょうか。

「君たちはどう生きるか」の魅力

この本の魅力は非常に哲学的で難しい内容を扱っているのにも関わらず、中身、文体は優しくとても読みやすい所だと思います。人生に対し素朴に素直に生きるコペル君と一緒に悩みどう生きるべきなのかという問題について考えることができます。

また、学生の人が読めばコペル君に対して共感し自分を育ててくれる周りの大人に感謝する気持ちが芽生え、逆に子育てをしている人が読めば昔の自分を思い出だしたり、もしくは自分の子供とコペル君を重ね合わせ、子供に何か伝えるヒントを得られると思います。

内容は難しいものを扱いながらも優しく、子供から大人まで一緒に楽しめるこの本は素晴らしいと思いますし、何年も繰り返し繰り返し読んでは新しい発見があると思います。

🍏が思う良い本とは読み終わった後に何かしら自分の考え、生き方に影響を与えてくれるもの、そして読み直したときに自分が今置かれている環境、知識、教養により前回とはまた違った感想を抱かせてくれる本です。まさしく今回ご紹介した「君たちはどう生きるか」は読んだ人の「生き方」に影響を与え、読み直すたびに新しい発見が有る本だと思います。

さいごに

今回は「君たちはどう生きるか」について書きました。

「どう生きるか」というクイズに正解は有りませんし、100人いたら100通りの答えがあると思います。

大事なのはこの最高難易度のクイズについて必死に考えながら生活する事だと思います。

どうせ生きるのなら一生懸命もがいて、必死に考えて、悩んで「なぜ自分は生まれてきたのだろうか、どのように生きるべきなのか」という最高のクイズの解を出すのも悪くはないのではないでしょうか。

またこのクイズは自分が20代、30代に出した答えと60代で出した答えが違うところも最高のクイズだと思います。

そして15歳のコペル君は作品の最後にこういう解を出します。

「僕はすべての人がお互いによい友達であるような、そういう世の中が来なければいけないと思います。人類は今まで進歩して来たのですから、きっと今にそういう世の中に行きつくだろうと思います。そして僕は、それに役立つような人間になりたいと思います。」

皆さんに改めて問います

「どう生きたいですか?」

是非手にとってコペル君同様に悩み自分なりにこのクイズについて考えてみてください。

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