「すばらしい新世界」~人類にとって正しい進化とは・・・:オルダス・ハクスリー 「感想」「あらすじ」「解説」

読書

はじめに

今回はオルダス・ハクスリーが描いたディストピア小説、すばらしい新世界について書きたいと思います

すばらしい新世界は2540年を舞台にして描かれており、2540年の人類は現代の私達からすると驚いてしまうような生活環境の中で生活しています。まず、この時代では科学技術が発達し人間でさえ大量生産されています

そのため家族という言葉は無くなり、人間は夫婦の間で育てられるのではなく、瓶の中で育てられ、人工的に知能指数や階級が決められています。階級により将来の仕事も決められており知能が低いものは単純作業の仕事が割当られますし容姿も服の色も決められてしまいます。

全ては人類の安定性を求めるため、世界政府が市民を管理しやすくするためであり、家族制度の廃止だけでなく、価値観や文化も幼児の頃から睡眠中に催眠術のように政府の都合の良いような考え方を聞かせて脳に刷り込ませます。

・死は怖くないという考え方

・決まった恋人は作らない

・本、自然を好まないようにする

このような価値観を植え付けられると家庭、家族という言葉はなくなり政府にとって都合の悪い単語に変わり、睡眠学習の中で母親、父親といった言葉は非常に猥褻な言葉と教えられ家族制度が廃止されていますし、この世界では家族だけではなく恋人に関しても特定のだれかとずっと付き合い続けているのはおかしい、という価値観を幼少期から教えられます

これは家族、恋人により人間関係の悩みや孤独による辛さや不安を感じないようにするためです。

それでも気分が落ち込むという時はソーマーという麻薬のような薬をのませます。

現在の私達の価値観でいうと驚かされる内容ですが、100年前の人類の文化・風習も今の私達から見ると驚かされる物が多くあるので、私達が進む未来として起こり得る未来を描いているのかもしれません。

驚かされる1冊ですが読めば進化・文明とは何かを考えさせられる1冊だと思います。

是非手にとって読んでみてください

すばらしい新世界のポイントテーマ・魅力
芋粥
芋粥

・文明・文化

安定性

・自由

「すばらしい新世界」はこんな人におすすめ

・ディストピア小説に興味がある人

あらすじ

2540年、人類は安定的発展のため世界政府によって管理されていた。人類は長い歴史の間に安定性こそ最も重要視するべきだと考え、そのために科学技術による人間の生産と階級制度、ソーマーという麻薬の生産、また幼児の頃から睡眠学習を行うことで管理体制にとって都合の良い人間の生産をおこなっていた。この管理体制の中で人類は悩みや不安、ストレスを感じない世界で快楽に溺れて過ごしていたが、そんな管理体制の中で何かがおかしいと三人の男が疑問に持ち始める。

安定性とは

私達は生きていると誰しもが何かしらの不安やストレス、悩みを抱えます。その辛さや苦難に耐えきれず自ら命を落とす人もいます。

このすばらしい新世界では自殺というのは存在しません。人々は管理体制の中でストレスや不安を感じないような環境に置かれ、それでも気分が塞ぎ込めばソーターという薬を飲み快楽に溺れます。人々は管理体制の中で病気にもならず、精神的不安も感じない、なに不自由なく楽しく過ごしています。これこそが人類にとっての安定的発展であり、文明だと世界政府は主張しています。

作品のなかでこのような体制に疑問を持つ人間が出てきますが、その中でも蛮人保存地区のジョンと世界統制管のムスタファモンドのやり取りはとてもメッセージ性がありこの作品の名場面です。

安定性を重視する代わりに芸術、科学、宗教といった自由を市民から奪うムスタファモンド。蛮人地区で過してきたジョンにとってそれは異様な文明でした。

彼はムスタファモンドに

「あなたがたには苦労をともなうのが必要ですよ」

「ここでは全ての代価が安すぎます」

「僕は不都合が好きなんだ」

「僕は不幸になる権利を要求しているんです」

と言います。

このセリフが衝撃的ですよね。

人類誕生から私達は出来るだけ楽に生活するために様々なものを生み出してきましたが、ジョンは自由を求めるためなら不都合を求めるのです。

何一つ不安やストレスを感じない代わりに管理体制で生きるほうがいいか、多少の困難苦難を受け入れる代わりに自由に生きるほうがいいのか。

進化の結果手にするべきはどちらなのでしょうか。

みなさんはどちらの世界を望みますか

今の時代だからこそ読むべき作品

この作品に出てくる教育内容や文化、風習は衝撃的な内容ですが、価値観というのも時代の流れで大きく変化してくので、今の時代の当たり前は未来にとっては違和感でしかありません。

作中ではソーマー、という薬を飲むと急に楽しくなる気分になれる麻薬のような物が出てきますが、現代でも大麻合法化に動く国も出てきました。医療目的という要素が多いようですが、以前より入手しやすくなっている事は間違いないでしょう。また今後、身体に影響の少ない快楽薬が出てきた時私達はその薬とどのように付き合っていくのでしょうか・

また触感映画という映画内の音と匂いと触感を感じられる映画が出てきますが、これも今後VRや4D技術が進めば実現不可能ではないかもしれません。

この作品は1932年に書かれましたが、決して今読んでも見当外れな未来を予想しておらず、むしろ今の私達が読んで今後どのように進んで行くべきなのかを考えさせてくれる時間をくれるような気がします。

最後に

今回はオルダス・ハクスリーのすばらしい新世界をご紹介致しました。

私🍏はこの本を読みジョンの望む世界とムスタファモンドが望む世界を比べて自分はどの世界を望むのか迷ってしまいました。

ムスタファモンドの管理体制の世界は怖いですが、そこでの生活は今の世界より過ごしやすいのは間違いないでしょう。誰もがジョンのように強くはいきれません。

人類はどのように進化していくべきなのか考えさせられる1冊です

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