読書家が本気で勧めるまず読むべき短編作家3選~[感想]

読書

はじめに

隣を見れば夢のような娯楽が転がっている現代。

そんな時代にわざわざ本を読まなくてもいい気がしますが読書家として”youtube” ”ゲーム””アニメ・漫画”のような娯楽にも勝るとも劣らない至高の短編作家を3人紹介致します。

本を読みたいけど、活字が苦手、読書から久しく遠のいている方に、比較的読みやすい作家を選んでみたので、読書に興味があるけど何から読んで良いのか分からない人は是非最後までご覧ください。

特に今回は短編作家3選ということで、「本を読みたいけど時間がない」という方にオススメです。

通勤時間、移動時間にスマホを触るのもいいですが、駅と駅との間でも生きる上でのヒントや、考え方を変えさせてくれるかもしれませんよ。

① O・ヘンリ

短編作家といえばO・ヘンリです。

彼は本当に天才でどの短編を読んでも外れがないですし、10ページ足らずの文章にも関わらず、笑わせてくれるし、人生について考えさせてくれるし、どんなジャンルのお話でも質の高いものが書ける作家です。

彼の書くストーリーは本当に良く出来ていて短編小説で重要な最後の1ページの展開が秀逸ですので読み終わった後の余韻を是非味わってください。

そんな彼の作品群の中から今回オススメするのは「アラカルトの春」です。冒頭の1文に非常に彼らしさが出ているので紹介させて頂きます。

「3月のある日のことだった。だが、小説を書くときには、決してこんなふうにはじめてはいけない。

おそらく、これほどまずい書き出しはないだろうからだ。想像力に乏しく、平凡で、無味乾燥でただ意味のない言葉を並べただけのものになる恐れがある。

だが、この場合は許されるべきであろう。なぜなら、本来この話の書き出しとなるべきつぎの1句を、前触れもなく読者の前につきつけるのは、あまりに乱暴かつ非常識すぎるからだ。

サラーは献立表を前にして泣いていた。」

初めてこの文章を前にしたとき思わず僕はニヤニヤしちゃいましたね。この作品(作家)とは相性いいだろうなぁと確信しましたし、実際そうでした。

僕は何度も繰り返し読み返しすぎてカバーもだいぶ擦り切れてしまってますが、そのくらい面白く自信をもって勧める作家です。是非読んでみてください

読みやすさ:5 out of 5 stars
(5 / 5)
内容:5 out of 5 stars
(5 / 5)

② 星新一

短編といえば星新一も短編の名手として知られています。

彼の作風はSFチックなで近未来なものが多いです。

彼の作品を読むたびに思うのは、どんだけ科学発達した未来だろうと、私たち人類が持つ悩みや欲というのは変わらないものなんだろうなと思います。

彼独特のユーモラスな視点で描かれた登場人物達が織りなす物語、そこで描かれている人間達の”欲””悩み”にクスッともするんですけど、ドキッとする面白さもあります。

彼もO・ヘンリ同様物語の展開が秀逸ですが、量もすごいです。

彼は生涯にショートショートを1001以上書き上げている天才です。

彼のエッセイなどを読むと分かりますが、想像力に貪欲な姿勢と小説家という職業がいかに大変かが分かります。

文庫本も数多く出ており、どれも面白いですがその中でも僕がオススメする作品は「包み」です。

星新一らしさがプンプンしている作品で、1000篇以上のショートショートを書き上げた星新一だからこそ、人間のもつ想像力に対して格闘し、書き上げる事が出来た作品だと思います。

「地球から来た男」という本に収録されているので是非読んでみてください。

星新一は全集もありますが、文庫本で読むのお勧めします。

駅から駅の5分間の移動にポケットから出してサクッと読んでズシっとさせてくれる星新一ワールドを体感してください。

読みやすさ:5 out of 5 stars
(5 / 5)
内容:5 out of 5 stars
(5 / 5)

③ 芥川龍之介

芥川龍之介のイメージは「暗い」「難しそう」「なんかジメジメしてそう」というようなイメージを抱かれている方がいるかもしれませんが、全然そんなことはないですよ。

おそらく地獄変を学校等の授業で読んだのでその印象が残っている強いのだと思いますが、彼の描く短編は本当に美しいですし、人生に対して素朴な美しさを書かせたら右に出るものはいないと思います。

僕も最初は地獄変のイメージが強くて避けていたのですが図書館で全集を何気なく開いた時に、この人ってこんな美しい作品を書いてたんだ。とイメージが変わりました。

「芋粥」「トロッコ」「あばばばば」「蛙」「杜子春」「猿」「野呂松人形」「枯野抄」好きな作品をあげたらきりがないです。僕の1番好きな作家です。

その中で僕が選ぶオススメの作品は「蜜柑」です。これはもう1回読んでほしい。僕に権力が有れば国語の教科書に必ずのせるよう指示を出します。

話は曇ったた冬の日暮に人生に疲れた男が駅に入るところから始まります。

人生に疲れ、何も楽しくない男は何も変わらない平凡な夕刊記事をみて不可解な、下等な、退屈な人生に対して溜息をこぼします。そして一緒の電車に乗り合わせたい田舎娘が・・・

ここからは本当に読んでほしいです。

青空文庫でも読めます。

この5分で不可解な、下等な、退屈な人生を僅に忘れる事が出来ます。

人生って基本楽しくないです。

急にお金が降ってきて楽にグータラに生きてはいけません。

ただ、何気ない日常の中に素朴な幸せをみてほっこりすることだってできます。

この「蜜柑」という作品は本当に素朴な日常を切り取った作品ですが僕は人生を幸せに生きる上でこの作品から多くのこと学べました。是非一度読んでください。蜜柑 青空文庫

読みやすさ:3 out of 5 stars
(3 / 5)
内容:5 out of 5 stars
(5 / 5)

最後に

今回はオススメの短編作家ということで3人上げさせて頂きました。

短編小説は普通の小説とは違い読むのに1時間も2時間もかかりません。

通勤時間の合間、炊飯器の炊き上がる合間でサクッと読むことができます。

しかし、数ページ足らずの作品でも僕たちの心を揺らしてくれるので、読書を始めようという方や、活字が苦手な方、今回あげた3人の作品が気になったら読んでみてそこからご自身の読書観を構築し読書の世界を広げてみてください。

読書って中々いいものですよ。

最後までご読んで頂きありがとうございました。

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