はじめに
今回は村上龍が書いた「69」について私 なりに、あらすじ、感想、そして解説をしていきたいと思います。
69は村上龍の書いた青春小説ですが、内容は爽やかで甘酸っぱいという青春小説ではなく、学校という組織に反抗するため、特に理由もなく学校にバリケード封鎖を企んだり、はたまた地域で1番人気のある女生徒を口説いて映画を取ったりと非常にクレイジーであり、ユーモラスでとてもエネルギッシュに溢れた青春小説となっております。
69は1969年の長崎県の高校を舞台にしており、今の学生からすると理解出来ない行動や思想が流行していましたが、今の学生には無い底抜けの明るさと、不屈の精神、そして抜群の行動力が伴っていたと思います。
村上龍が自身の青春時代を題材に描いた作品ですが、堅苦しくなくユーモラスに溢れた作品なので読みながら笑ってしまう場面が多くある作品なので普段本を読まない方にもオススメの作品です
「69」のポイント、テーマ
・団塊の世代
・学生運動組織
あらすじ
高校2年生のケンは長崎県佐世保市の進学校に通っているが、学生生活の中で家畜化されているのではないかという不快感を抱いていた。
当時学生の間では学校という組織に反抗する為に政治活動や学生運動に奔走するもの、音楽に走るもの、女、酒に走るもの、の3つに分かれていた。
ケンは当初どちらにも属してはいなかったが、学校のマドンナである松井和子の気を引く為に学校のバリケード封鎖を企てる。
学生運動と団塊の世代
この小説の主人公達は1960年代末に学生だった人達でいわゆる団塊の世代です。
この小説を読む上でやはり団塊の世代とはどのような性格をもった世代であったかを考えながら読んだ方が更に楽しめると思います。
今の学生達を仮にクールと表現するなら団塊の世代である彼等は今の日本人にはない情熱があるように思います。
人口が多く競争社会で育ち、それと重なった高度成長期。そのため努力して頑張ったら報われるという考えが強いのがこの世代の特徴だと思いますし、ゆえに情熱と行動力が非常に卓越しているように思います。
このような世界で育った主人公のケン達は特に理由はないけれどバリケード封鎖を行ったり、映画をとってみたりと、とてもエネルギッシュです。
バリケード封鎖後、警察に犯行がばれてケンは両親、学校に迷惑をかけますし、無期限の停学処分を受けますが、落ち込む事なく謹慎後落ち込む事なく元気に学校に通い始めます。
この情熱と明るさがあったからこそ、社会人になったときに迎えた時の高度成長期の日本社会を引っ張る事が出来たのではないでしょうか
団塊の世代とはなにか
今の若者でも行動力と情熱を持った人達がいますが、その人達と団塊の世代の人達との違いは、集団を作るのか、個を作るのかの違いがあるかと思います。
団塊の世代は競争社会でありますが、他人や仲間を大事にし、何か物事を起こす時に集団で何かを起こそうとします
一方で今は個で動いている人が多いように思います。時代の流れと科学技術の発達の影響もあるかと思いますが、当時の学生と今の学生ではそこに違いがあるように思います。
この作品でもケンの周りに多くの仲間が存在しその仲間達の影響でケンはバリケード封鎖や、映画を取ります。
ケン達の青春を見ていると確かにスマートさやスタイリッシュさはありませんが、とても賑やかで非常に楽しそうです。
彼等の生活をみていると現代で生きる我々はもっと集団で動くべきなのではないかと思いました。
最後に
今回村上龍の「69」について私🍏なりに、あらすじ、感想、そして解説をしてみました。
団塊の世代の青春時代を取り上げた作品で今の日本人にはない情熱と行動力は見習うべきだと感じました。
最近メディアで「Z世代」という言葉を目にしますが、日本人の精神が大きく変化してきている今だからこそ、本作品を読み、団塊の世代を理解しZ世代を比較した上で自分はどう生きるべきなのかを考えて見るのもいいかもしれません。
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